そ、そっちですかぁ!?

 

 

 
数年前の出来事。
 
真夜中に道路工事が行われた。
 
時間は午前0時を過ぎていた。
 
アスファルトを砕く掘削機の
凄まじい音が鳴り響いていた。
 
道路わきに立つマンションの一室、
その振動も半端なかった。
 
その夜はしなければならない作業があったので、
眠れないというストレスは受けなかったものの、
集中力が途切れて作業が進まなかった。
 
午前2時を少し過ぎたころ
掘削機の音だけはしなくなった。
 
それでも工事作業者の声が聞こえていたので、
工事は続けられていたのだと思う。
 
その頃に私は布団についた。
 
もし、明日早朝に仕事があって、
早めに寝ようとしていたら、
相当のストレスを感じただろうなと思った。
 
翌日、同じマンションの最上階に住む
大家さんの奥さんと話をすることができた。
 
その方の年齢は80歳を越えている。
 
「昨夜の工事の騒音は凄かったですね。
 眠れなかったんじゃないですか?」
 
『いえいえあの音はあまり気になりませんでした。
 それより工事してる人達が大きな声で話してはるのが
 気になってイライラして寝れませんでした』
 
えっ!? そ、そっちですかぁ!?
 
って、思わず突っ込みを入れたいほど驚いた。
 
掘削機の音は本当に凄まじかった。
 
しかし、その音は公共の工事をしているのだから仕方がない
と思うことで気にはならなかった。
 
でも、大声で話す声に対しては、
深夜なのだからお互いに歩み寄って話をすれば、
大声で話さなくてもいいではないか、
と、咎める思いが噴出して眠れなかったということだ。
 
私は人間のストレスの典型を見た思いがした。
 
見るもの、聞くもの、臭うもの、味わうもの、触れるもの、
それらの情報を自分オリジナルの判断システムで、
瞬間的に判断してストレスを感じている。
 
このことが大家さんの奥さんとの会話で、
はっきりとわかった気がした。
 
自分オリジナルの判断システム。
 
そのシステムに応じたストレス源を
人は見つけ出そうとしてしまう。
 
そのシステムの特徴をよく知り、
点検し改善しない限り、
いつまでたっても同じようなストレスから
解放されることは難しい。
 
今度ストレスを感じたとき、
どんな判断システムが作動したのか、
じっくり見極めてみたいものだ。
 
 
 

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