こんなに悲しいのに

 

 

永 六輔 (著) 『一言絶句』より
  
こんなに悲しいのに屁が出る
 
 
この言葉と出会ってずいぶんとなる。
 
初めは、

 
どんなに悲しい出来事に遭遇して、
絶望感にさいなまれていても、
ちゃんと身体はいつも通りに生きようとしている。
 

そんなふうに解釈していた。
 

そしてそのギャップが、
ただ、「おもしろい!!」と感じていた。
 
しかし、心のことを知るにつれ、
この言葉の深さを感じるようになってきた。
 

 
こんなに悲しんでいる『私』と、
オナラをしてしまった『私』と、
それらを客観的に観察している『私』。
 
3人の『私』が居ることを
この言葉から感じるようになった。
 
 
その出来事を悲しい出来事だと判断し、
悲しみという感情を発生させて、
その感情を感じている『私』。
 
どんな体験をしていようとも、
身体を管理していて、
オナラという生理現象を引き起こしてしまう『私』
 
悲しんでいる『私』を観察し、
その状況下でオナラをしてしまう『私』とのギャップ、
その滑稽さを楽しんでいる『私』。
 
その最後の観察して楽しんでいる『私』こそが、
『私』の人生の主人公なんだと思う。
 

 
この人生劇場において、
他の『私達』がリアルに演じるお芝居を
ど真ん中の席に腰をおろして、
静かに鑑賞している『私』。
 
次はどんなギャップを楽しませてくれるのか?
 
どんな感情体験を楽しませてくれるのか?
 
名優『私』の迫真の演技に、
ときにリアルに芝居の中の現実に引き込まれながら、
ときに悲しみとオナラのギャップを冷静に比較して、
観客席の『私』は私の人生を楽しんでいる。
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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